歯科衛生士さんからの質問
残業代について質問したら、うちは固定残業制度になっている、と院長から説明がありました。固定残業代込みの給料なので残業代は出ないそうです。それってどの歯科医院も普通なんでしょうか？
固定残業制度でも規定の時間を超えたら残業代をもらえるのがルール
結論からいうと、固定残業には「○時間の残業が含まれる」という規定があります。その○時間を超えるまでは固定、でもその○時間を超えた分は残業代が別にもらえるのがルールです。
固定残業制度は、歯科医院（会社）のための制度
もともと固定残業制度は、会社のための制度なんです。残業代は1分単位で計算して支払うのがルールなので、本当は毎月計算しないといけません。
でも全員分を毎月計算するだけでもすごい時間がかかります。
そこで国が「毎月だいたい残業時間がきまっているなら、ざっくり計算してもいいよ」って言ってくれたんです。
そのかわり「毎月20時間分の残業を固定にするって決めたら、もし残業時間が20時間いかなくても、20時間分払うんだよ。」という約束が固定残業制度なのです。
なのでもちろん残業代時間が25時間になってしまったら、約束を超えた5時間分は残業代がもらえます。
固定残業制度の悪用？
でもこの固定残業制度を悪用？している歯科医院もあります。
固定残業だから残業代を払わなくていいと勘違いしているケース
これは院長の勘違いのケースですが、「固定残業制度なので残業しても残業代を払わなくていい」と考えていることがあります。これはさきほどの通り法律として間違いなので、社会保険労務士さんとか労働基準監督署に相談すればすぐ解決するはずです。
固定残業分仕事しろ、と残業させられるケース
これはあるあるなのですが「固定残業制度だから残業させても大丈夫、というか当たり前。」と考えている院長先生も・・。
早く仕事が終わっても「今月残業少ないからあの仕事もやってもらおう」と、歯科衛生士の仕事と関係ないことも要求されるケースもあるようです。
こういうのはルールとしては固定残業時間の範囲内でしょうけど、上司としてはちょっとイヤですよね。
歯科医院として全員参加の飲み会などは残業扱いになります（任意と言われても実質断れない雰囲気であれば残業と認められるケースもあります）。
固定残業制度の内容を確認しよう
まずやるべきことは、固定残業制度の詳細を確認することです。就業規則とか給与規定に書いてあるはず。
固定残業制度に規定された時間が20時間だとしたら、毎月の残業時間を計算して残業時間が毎月20時間を超えているようだったら、その事実を院長先生に伝えるべきです。
就業規則も給与規定もない場合
もし就業規則も給与規定に固定残業について書いてない、もしくはそもそもそういうものをもらってないとしたら・・・・・。うーんそもそも固定残業制度があるのかどうかも疑わしいです・・・。
固定残業制度はさっきも書きましたが、残業代支給についての特例制度なので、規定がないと1分単位で残業代を支給しないといけません。
もし毎月10時間残業していたとしたら、それだけで毎月20,000円とか30,000円給料が増える可能性があります。
仕事以外でモヤモヤしない職場で働くという幸せ
こういう残業代とか、歯科衛生士としての仕事以外の部分で気持ちがモヤモヤするのは本当にもったいないと思いませんか？
せっかくがんばって国家資格を取れたのですから、そのワクワクした気持ちを100％患者さんに向けられる歯科医院で働くという幸せもあります。
