歯科衛生士さんからの質問
うちの歯科医院はスタッフの数が全然足りていません。患者さんは多いので大変なのに院長はスタッフを採用してくれません。昼休みも短くなってしまうし、助手さんでもいいから早く採用してほしいです。
体力も限界ですし、気持ちもいっぱいいっぱいになっていて限界です。でもここで私が辞めてしまうといまの院は絶対にやっていけないので、見放すこともできなくて苦しいです。
歯科衛生士や歯科助手を採用する気がないのか本当に採用できないのか
人がいなくて仕事が回っていないときって本当につらいですよね。体力も気持ちも限界だけど、でも患者さんには迷惑かけられない、ってどんどん自分がつらくなっていきます。本当によくわかります。
ここで一個気になるのが「採用できない」のか「採用する気がない」のかどっち?という点です。
歯科衛生士の採用は超がつく人手不足(=歯科衛生士が働く院を選び放題)
じつは歯科衛生士さんは超がつく人手不足って知ってますか?人手不足というのは歯科医院目線ですけどね。歯科衛生士さんからすると働く院を選び放題の状態が続いています。場所によっては30倍くらいの倍率になっているようです。30院から「うちに来てーーー!」って言ってもらえて、その中から好きな院を選べるってことです。
なので歯科衛生士さんを採用しようとしても簡単に採用できないのは多分本当です。
もし歯科助手さんであれば、きっともっと簡単に採用できるはずです。
本当は人件費を少なくしようとしているかも
ただあまりよくないケースがあります。それは先生は「採用しようと思ってるよ」って言いますが、心の本音では「いまのままやってくれないかなー」って思ってるときです。人件費を少なくできればいいなーって思ってる場合ですね。これってブラック企業の典型的な考え方です。
どこに採用募集をしているかどこに広告を出しているか聞く
院長が本気で採用しようとしているかどうを確かめる方法が一つあります。それは「どこに採用広告や募集広告を出しているか聞くこと」です。
ホームページに「スタッフ募集中」とか「採用情報」とか書いていて募集がくる時代ではありません。広告媒体に出さないと応募はほぼないでしょう。なので院長が本気で採用を考えているとしたら、どこかに広告や採用情報を掲載しているはずなのでそれを聞いてみましょう。
あなたが限界を超えてつぶれてしまう前にできること
もし採用もしている、でも本当に募集がこない。ということであれば、ひとまず募集がくるまでにできることをやってみましょう。あなたがつぶれてしまわないために自分を守る方法です。
予約の時間を調整できないか相談してみる
まずできるのは予約の枠を少し減らすことです。どの院にも予約の枠があると思います。たとえば昼休みの前の一枠を減らすことができないか相談してみる、のもおすすめです。もし一枠空けることができたら、掃除とかも余裕がでるし、急患の方が来られてもなんとか対応することができます。
ボーナスの査定に期待する
給料が上がればもちろんうれしいのですが、その交渉は少し難しいのもわかります。だとしたら人が少ないなかで頑張ったあとのボーナスに期待してみるのもいいでしょう。
ここでしっかり院長が「人が少ない中で頑張ってる」と評価してくれるような内容であれば、少しがんばれそうですね。でも全然それを評価してもらえてないとしたら、もうそれは残念ながらブラック企業です。
ブラック企業ってブラック企業の中にいる人は気づかない
ブラック企業って不思議なことに、本当のブラック企業で働いている人は自分の会社をブラック企業って気づかないんですよ。
もちろん待遇に不満はあるんですが、よくあるケースがこちら。
- これくらいみんな我慢している
- わたしにも悪いところがある
- ここを辞めても次同じことがあるんだったらこのままでいいかも
- もしわたしが辞めたらもっとひどいことになるから同僚を見捨てられない
- たまにいいこともある
- 院長が怖くて自分の意見を言うとか絶対に無理
これ完全にDV(ドメスティックバイオレンス)と同じ構造なんです。体を壊してやっと気付くんです。あーわたしの会社ってブラックだったんだーって。
何度も言うけど
もし「この院でずっと働くのは難しいかもなー」って感じたら、いま動けるうちに行動するべきです。