「歯科衛生士だけど、もう転職したい。」
「いま働いている院を辞めたいと思っています。」
「注意されてばっかりで、仕事できないと思われていて、わたしは歯科衛生士に向いてないかもしれません。」
「憧れていた仕事だったけど、思っていたのと違うというか、いまは歯科衛生士という仕事があまり好きじゃないです。」
歯科衛生士さんの相談にのること5年100人以上。衛生士学校を卒業して2-3年目の方の相談にのることが多いですが、ほぼ100%なにかしらの悩みをお持ちです。この記事をお読みのあなたも同じような悩みをお持ちかもしれません。
でもそんないろんな悩みをずっと聞いていると、間違いなく行き当たる一つの原因があります。
それは「人間関係」。
院長だったり、代診ドクターだったり、もちろん同じ歯科衛生士(とくに先輩)との人間関係だったりもしますが、ほぼ100%原因は「人間関係」です。
そして残念ながらこの人間関係は、現在の職場で劇的に改善することはまずありません。理由は簡単です。人間には必ず「合う合わない」があるからです。合わない人と仲良くするのは無理です。
でももう一つ確実なことがあります。
それは「あなたが自分らしく、明るく楽しく自信をもって働ける院が必ずある」ということです。
この記事では、これまで100人以上の歯科衛生士さんの相談にのってきた専門家として、もう人間関係で悩まない、失敗しない転職についてご案内します。
国家試験に合格したときに親やおじいちゃんおばあちゃんも喜んでくれた歯科衛生士という仕事に、自分に自信を失いかけているあなたがもう一度自信と笑顔を取り戻す歯科医院探しのお役に立てたらうれしく思います。
人間関係に悩むのは当たり前のこと。60%超の人が悩んでいるというデータも。
そもそも職場の人間関係に悩む、というのは全然おかしいことではなくて、むしろ当たり前のことです。
大手生命保険会社のチューリッヒ生命が発表したデータによると、60%を超える人が「上司との人間関係」「同僚との人間関係に悩んでいる」ようです。
画像はニュースリリースより(公式ニュースリリースはこちら)
つまり人間関係で悩んでいるのが当たり前で、あなたがおかしいわけではないということですね。
離職率が高い院の特徴
いくら人間関係に悩むのが当たり前だとしても、もしかしたら「怒られてばかりだし仕事できてないし、自分にも原因があると思う。」そう思われているかもしれません。
もちろんそうかもしれませんが、これまで100人以上の相談に乗ってきた経験からすると「離職率が高い院はそれなりの理由があります」。
1:院長の性格が変わってる、もしくは独裁で誰も文句言えない
一番多いのはこれです、院長の性格の問題です。
もともと歯医者さんって変わっている方が多いのですが、それに加えて「院長」という立場だと誰も文句を言えないので、独裁になってしまうんです。院長の言うことは絶対!というパターン。
ひどい院長になると、仕事だけじゃないのに「クルマで◯◯まで送ってくれる?」とか「家族旅行の飛行機のチケットとっておいて」とか、昼休み中なのに「おれの弁当買ってきて」とかプライベートでもいろいろ頼んできたりするそうで、でも断れなくてストレスが増えていく・・・というケースはとても多いです。
2:ベテランの歯科衛生士が厳しすぎる(たまに嫉妬(しっと))
つぎに多いのが、ベテランの歯科衛生士との人間関係。「わたしたちはみんなこうやってきた」とか「言われなくてもやるのが仕事」とか、ちょっと意地悪にもおもえるような指導をされてしまうケースが多いようです。
あとこれはあまり言われないことですが、「若い歯科衛生士さんが入ってきて院長が浮かれてるのがムカつく」という理不尽な理由できつく当たられていることも多いようです。こういう嫉妬(しっと)からいじめのようなことがおきてるとしたら、とんだとばっちりですよね・・
結局は、環境に問題があることが多い
つまりあなたが原因というわけではなく、環境に問題があることが多いということです。
そして最初にもお伝えしましたが、こういう理由で人間関係がこじれてしまっているのであれば、このまま待っていても改善する可能性はほとんどありません。
歯科衛生士の転職事情「4人中3人が転職経験あり」!
だからといって、いざ転職を考えるとしても「転職ってあまりいいイメージをもってもらえないんでしょ・・」とお考えになるかもしれません。
たしかに親に相談すると「3年は我慢しなさい」とか言われることもあるかもしれません。でもそれは昔の話です。
いまはほとんどの歯科衛生士が転職しています。その割合75%。つまり歯科衛生士の4人中3人が転職しているのです!
しかもこの調査データは、日本歯科衛生士会という公益社団法人が作成しているデータなので信用できるデータです。
(出典:歯科衛生士の勤務実態調査報告書 公益社団法人日本歯科衛生士会 )
もし転職そのものを反対されたら、この記事を見せて「いまは75%の人が転職してる時代だし、歯科衛生士ってそういう業界なんだよ」と伝えてあげてくださいね。
どんな歯科医院で働きたいかを考える
「よし!じゃあ新しい歯医者を探してみよう!」と思われた方。ちょっと待ってください。このまま転職活動をするとまた失敗するかもしれません。
いよいよここからどうやったら失敗しない転職ができるか、自分らしく働ける理想の転職ができるかお伝えしますよ。
まず「自分がどんな院で働きたいかをしっかり考える」ことが大事です。これは何もわからなかった新卒のときとは違って、実際に働いたことのあるあなただからできることです。
保険診療中心?自由診療中心?
まず保険診療中心の院と自由診療が中心の院、どちらがあなたらしく働けますか?
なぜかというと保険診療中心の院と自由診療が中心の院は雰囲気がガラリと変わるからです。
どちらかというと自由診療中心の院のほうが派手な印象です。ホワイトニング、インプラントとか華やかですもんね。
一方で保険診療中心の院は、安定派といいますか、地域に愛される昔ながらの歯医者さんといいますか、自由診療中心の院の雰囲気とはやっぱり大きく変わることが多いです。
これはいい悪いではなく完全に好みです。完全に好みだからこそしっかり考えてくださいね。
スキル向上型?アットホーム型?
院長の方針によって歯科衛生士に期待することはかなり違います。
どんどんスキルを身につけて、歯科衛生士として売上をどんどんつくってほしい!と考える院長もいれば、患者さんと上手にコミュニケーションをとってほしい、と考える院長もいます。こういう要望はアットホームな院に多いですね。
いずれにしろ院長が歯科衛生士にどんなことを期待しているかで評価が全然違いますので、あなたが得意なことや想像している未来をしっかり把握しましょう。
大きな院?個人院?
院の規模も大事なことです。
大きな院はそれだけ関わる人が多いので、人間関係もいろいろあります。ただ大きな院の大きなメリットとして、自分に合う人が見つかりやすい、もし合わない人がいても逃げ場があるということがあります。
小さな個人院は、院長と性格が合えばとっても楽で仕事もやりやすいと思いますが、万が一院長と性格が合わなかったときの逃げ場がないのがデメリットです。
社会保険は必要?
最後に待遇も大事なポイントです。よくあるのが社会保険加入。
もちろん社会保険に加入している院のほうが将来的にもらえる年金が多いのでより安心ですが、その分今もらえる給与が少ないかもしれないので、そのあたりはしっかり考えたいところです。
そのほかにも、有給休暇制度や退職金制度なども含めて「どこまで待遇に期待するか」はしっかり考えておきましょう。
社会保険加入が必須なのは、(1)医療法人、もしくは(2)5人以上の常勤スタッフが在籍していること、です。この二つのどちらかの条件を満たしているのに社会保険に加入していないのは違法な歯医者ですので避けたほうがいいですね。
理想のイメージに合う歯科医院を探そう
さあ、あなたの理想の院のイメージができたら、さっそく歯科医院を探しましょう!
求人サイトに登録する
まず一番最初にやって欲しいのは「求人サイトの登録」です。(もちろん完全無料)
やっぱり「求人数が多い」「いろんな条件で絞り込みができる」「こまったときは担当者がアドバイスをくれる」などといったメリットは、自分で歯医者さんのホームページを探しているとなかなかできません。
あとで詳しく説明しますが、ジョブメドレー は国内最大級の求人数で有名です。
この段階で候補を10−15院くらいまで絞り込めればいいですね。
患者さんの口コミを見てみる
つぎに、この絞り込んだ10-15院の患者さまからの口コミを調べてみましょう。
おすすめはグーグルの口コミです。
グーグルで「◯◯(地名) + 歯医者」とか検索すると出てきます。下記は「銀座 歯医者」と検索したときの表示です。
ここで「先生が優しい」とか「しっかりみてもらえる」とか「スタッフもいい対応」などといった口コミが書かれていたらOKです。逆に「先生がちゃんと説明してくれない」とか「勝手に抜かれた」とか書いてある院は、候補から外しましょう。
歯科衛生士学校の先生に聞いてみる
そしてじつは一番おすすめしている方法がこちら。出身校の歯科衛生士学校の先生に直接聞いてみるのが一番正確な情報がもらえます!
もちろんいろんな卒業生が就職していったという貴重なデータもあります。でももう一つ大事なデータがあります。
それは「実習生の評判」です。衛生士学校の先生たちは実習生を現場に研修に送り出すのですが、基本的に歯医者さん側で実習受け入れを断ることは100%ありません。そのまま気に入って就職してくれないか期待するからです。
というわけで、いろんな歯医者さんに実習生を送るなかで、衛生士学校の先生たちの中には「先生、わたしの実習した歯科医院よかったです!」とか「もう本当最悪です・・」とかリアルな意見が集まっています。
もちろん全部覚えているわけではないと思いますが、院の名前を言えば思い出してくれるでしょう。ただこれはネガティブチェックと言って「あっ、その院結構評判悪いからやめておいたほうがいいよ」って言われなかったらOKです。
さあ!ここで悪い噂がなかった院には、いよいよ面接を申し込みます!
もしこの段階で10院以上残っていても無理やり絞り込む必要はありません。候補として残しておいて第1希望から面接していきましょう。
希望する歯医者さんの面接で気をつけたいこと
いよいよ面接がはじまるのですが、ここで気をつけておきたいことがいくつかあります。
院長と歯科衛生士両方に会うこと
まず大事なのは、院長とだけ、とか採用担当とだけではなく、院長と一緒に働く歯科衛生士の両方と面接させてもらうことです。院長と相性がよくても、同僚の歯科衛生士と相性が悪かったら、転職してもまた人間関係で苦しむことになるからです。
もちろん「両方と面接させてください」と言うのは少し勇気がいるかもしれませんが、「歯科衛生士の方のお話も聞かせていただいていいですか?」とか「院長とお話しすることはできますか?」と聞くのがおすすめです。
もしそれで嫌そうな顔をされたりする院はやめておいたほうがいいと思います。
1日体験勤務があればもっと雰囲気を感じやすいかも
一番いいのは「体験勤務」させてもらえればもっと雰囲気をつかみやすいです。仕事モードのときの院長の態度とか、患者さまとスタッフのやりとりも大事な判断基準にしましょうね。
人間関係で苦しんだ経験を伝えてもOK
面接のときに「どうして転職しようと思われているんですか?」と退職(転職)理由を聞かれるかもしれません。そのときは正直に「人間関係でストレスを抱えてしまって」と伝えても大丈夫です。
それでも「歯科衛生士という仕事を続けたい」という気持ちが伝われば、むしろ歓迎してもらえることもあります。
今の職場への退職の伝え方
無事に転職先の院が決まったら、今度は現在の職場に退職の意思を伝えないといけません。辞めることはまったく問題ありませんが、やっぱり変な辞め方はおすすめしません。
就業規定があれば退職の申し出日を確認する
院によっては就業規定というものがあって「◯日前までに伝える」と決められている場合があります。もし就業規定がある場合はそれに従いましょう。もしない場合は法律上は30日前となっていますが、せめて60日前くらいまでに伝えたほうが院としては助かると思います。
転職先にはしばらく待ってもらうことになりますが、「お世話になった院に迷惑をかけたくない」と伝えればOKです。むしろ好感度UP!
お世話になった感謝を伝える(嘘でも)
退職日が決まったら、院には(嘘でもいいので)お世話になった感謝を伝えて退職しましょう。「辞めないで欲しかったな」って思ってもらえるほうが幸せですしね。
転職よくあるQ&A
転職の相談のなかでよくある質問をいくつかまとめました。
Q:退職する前に転職活動をしても大丈夫ですか?
まったく問題ありません。むしろそれをお勧めします。
退職してから就職活動をすると「どこでもいいから早く次を決めたい」という気持ちがでてきて、本当に自分に合う院じゃないのに決めてしまう可能性があるからです。
Q:今働いている院の近くの院で新しく働くことになっても大丈夫ですか?
まったく問題ありません。院長同士が同じ医師会でも大丈夫です。
ただそのために「辞め方」だけはしっかりしておきましょう。辞め方さえしっかりしておけば悪く言われることはありません。
Q:「退職してからどこで働くか決まった?」と聞かれたらどうしたらいいですか?
正直に伝えてもいいですし、もし伝えたくなかったら「いろいろ検討していますが、まだ最終決定はしていないです。」と伝えてもいいでしょう。
Q:たくさんの院に面接に行っても失礼じゃないですか?
全然失礼じゃありません。納得できるまで10院でも20院でも面接すべきだと思います。
もちろん面接は緊張しますし疲れますし、もし面接で落ちたらショックです。
でも思い出してください。「あなたが自分らしく、明るく楽しく自信をもって働ける院が必ずある」んです。自分の人生に真剣になることを否定する人はいません。
転職に成功した先輩の体験談
転職に成功した先輩もかなりたくさんの院に面接に行かれたようです。
プライベートなことまで頼んでくる院長とそりがあわなくて転職活動。転職先の院の決め手は「院長と同僚の歯科衛生士が面接に同席してくれた」ことと「1日体験勤務できたこと」だったそうですよ。
もちろんいまでは楽しく働いておられます。
おすすめの転職サイトは登録求人数NO.1の「ジョブメドレー」
最後におすすめの転職サイトです。
歯科衛生士の求人サイトはいくつかありますが、ジョブメドレー は国内最大級の求人数で超大手ですので安心して利用できておすすめです。満足度もなんと96%!(ジョブメドレー 調べ)
また簡単登録(わずか60秒)するだけで院の方からお誘いしてもらえる「スカウトメール」という仕組みが便利です。今すぐ転職する予定がなくても、登録しておくだけで、いろんな院の情報が集まるので助かりますね。
面倒だなーと思う人と、60秒だからとりあえず登録してみようと思う人
最後にひとつだけ。これまで100人以上の歯科衛生士のみなさんから相談をうけてきて、一つわかったことがあります。
それは、行動する人がいい院をみつけている、ということです。
新卒で入った院で合わなかったのはもう仕方のないことです。学校の求人票をみてなんとなく選んでしまったんだと思います。
でもいまは違います。実際に歯科衛生士として働いてみて、仕事内容も自分がどんなところで働きたいかもわかっています。
あとは合わない院で働きづけるか、ひとまず登録だけしてみて動いてみるかで大きく未来が変わるはずです。
最後の最後に、いますぐ転職するつもりがなくても登録しておいたほうがいい理由をいくつかまとめてみましたので参考にしてください。
くどいようですが、最後の最後の最後にひとこと。
「あなたが自分らしく、明るく楽しく自信をもって働ける院が必ずある」
転職する気がなくても、とりあえず転職サイトに登録しておいた方がいい6つの理由
転職を考えるときにおすすめなのが歯科衛生士専門の転職サイト。
少しでも転職を意識したらまずは登録しておくべきです。(もちろん完全無料)
でも転職をするつもりがなくても、転職サイトに登録しておいたほうがいい理由もあるんです。
「今の職場に不満はあるけど、今すぐ転職する気はないんだけど・・・」
「転職ってうまく行くとはかぎらないし大変なイメージがある・・・」
それでも今のうちに登録することをおすすめします。その理由は・・・
1:心が疲れてしまったら転職のエレルギーもなくなるから
とくに人間関係が原因で転職を検討している場合は、ストレスや疲労が限界に達すると前に進むエネルギーがなくなってしまいます。そうなると心も体も壊れてしまい復帰するのにものすごい時間と体力とエネルギーが必要になります。
そうなってしまってはもうどうすることもできません。もしかしたら社会復帰すらできなくなるかも。手遅れになる前に今のうちに登録だけは済ませておくべきでしょう。
2:スキルアップを目指す場合もモチベーションが高いうちに
スキルアップを目指す場合も不思議とモチベーションが高いときに探すほうがいい院が見つかる可能性が高いです。どういうスキルを伸ばしたいのか、何年後にどういう自分になっていたいかのイメージが明確だからです。
3:気になる院の情報をストックしておくだけで気持ちが楽になる
もちろんすぐに転職する必要はありません。それでも気になる院の情報をいくつかストックしておくだけで、「いつでも居場所を変えられる」ので気持ちが楽になります。メールであなたの条件に合った院の情報が届くので未来をイメージすることができます。
自分だけの気持ちの逃げ場所をつくるのはとても大事なことです。
4:人の紹介は断りづらくてストレスになりやすい
「知り合いから紹介してもらえそう」というのは、簡単に新しい院が見つかりそうな気がしますが断りづらいという欠点があります。もし希望の院ではなかったときにもっとストレスになるケースがたくさんあります。
知り合いからの少ない情報から探すより、不特定多数のたくさんの情報が集まる求人サイトのほうがしがらみもなく安心でしょう。
5:求人サイトの登録は完全無料
このサイトで紹介している求人サイトは、もちろん登録は完全無料ですのでご安心ください。転職しても転職しなくても、求人情報をもらうだけで面接しなくても、求人サイトの担当者と相談したい場合は相談しても利用料はずっと0円です。
6:今の職場に登録を知られることはありません
登録しても、歯科医院には個人を特定できるような情報はすべて「非公開」なので、いまの職場に登録がバレることは絶対にありません。